小学校 2025年2月(第140号)
【附属小学校】「センス」を育てるには? ー第17回 千葉県私立小学校造形展ー

「文化資本」という言葉を知ったのは、劇作家の平田オリザ氏の講演でした。フランスの社会学者ピエール・ブルデューによって提唱された文化資本とは、「個人が幼少期から学習や経験を通じて身につけた知識や行動、スキル、センス、教養、感性、趣味などの文化能力」です。文化資本を蓄積することで、大きな利益を生む反面、社会に差やヒエラルキーを生み、不平等な社会をつくりだす可能性もあるそうです。

翻って図画工作・美術を、文化資本という視点で見ると、まさに文化資本の蓄積のためにあるような教科に思えてなりません。入試に「役立つ」、主要教科に注目が集まりがちですが、生涯に影響を及ぼす諸々の文化資本、とりわけ「センス」を育てる教科だと考えると、必要不可欠な教科の先頭集団に躍り出るのです。

今年も、ニッケコルトンプラザのコルトンホールを会場に、県内の全私立小学校による「第17回 千葉県私立小学校造形展」(1月11日(土)~20日(月))が開催されました。10日間の来場者数は1956人。親子で作品鑑賞を楽しむ姿が、数多く見られました。本展覧会をきっかけに、巷の美術館にも足を運び、センスを育んでいただけましたら、図工・美術教育関係者としまして望外の幸せです。

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