12月2日(土)、年末恒例となった聖徳大学音楽学部・聖徳大学大学院音楽文化研究科の定期演奏会も25回の節目を迎え、川並香順記念講堂にて華やかに開催されました。一般公開となった事で多くのお客様にもご来場いただき、活気に満ちた演奏が展開されました。
第1部の開幕は島津千歳さん(大学4年)、田中 莉さん(大学2年)、横居奈桜さん(大学4年)による作品発表です。コンピュータによるDTMの「音」だけでなく、アニメーション投影やラップ風のヴォーカルユニットで聴かせるなど、趣向を凝らした発表で会場を大いに沸かせました。続くミュージカルステージでは、中川愛海さん(大学4年)、岩瀬美智子さん(大学4年)がよく知られたミュージカル曲を独唱・二重唱で歌います。伴奏の王天姣さん(大学院前期課程2年)、曾靖茜さん(大学院後期課程2年)が電子オルガンの拡がりのある響きで花を添えます。二人の美しい歌声と豪華な衣装で魅力的なステージが展開されました。続いて磯野乃彩さん(大学4年)による電子オルガン独奏です。ドラマチックな構成の自作曲をこの楽器の持つ多彩な音色を駆使し、感動的な演奏で会場を包み込みます。続くパイプオルガン独奏は趙三川さん(大学院後期課程2年)です。安定した演奏技術を活かし、講堂の象徴であるパイプオルガンの荘厳な響きの中第1部を終えました。
第2部の幕開けは中原羽菜さん(大学3年)によるコントラバス独奏です。伸びのある低音を美しく響かせ、安定感のある演奏でした。ピアノ伴奏は小坂部琴未さん(大学3年)です。続くクラリネット独奏は中村天夢里さん(大学4年)。音域が広く難しい作品を軽妙に活き活きと演奏しました。ピアノ伴奏は名手鳥井俊之先生が鮮やかに演奏を支えます。続く声楽ステージでは4人の院生と男性教員による歌曲の共演です。最初に佐藤 愛さん(大学院前期課程1年)、続く鈴木香奈さん(大学院前期課程1年)は、モーツァルトの歌曲を青戸 知先生との二重唱で披露します。美しく広がりのある歌声と特徴的な演技でオペラの世界へと勧誘します。続く四重唱では下 亜耶さん(大学院前期課程1年)、及川愛菜さん(大学院前期課程1年)に青戸 知先生、布施雅也先生が加わり、プッチーニの歌曲をオペラの一場面を彷彿させるような見事な歌と演技で華やかなステージを演出しました。
演奏会最後のコーナーはピアノステージです。4人の大学生による独奏と2台ピアノ形式での演奏です。最初に登場したのは小坂部琴未さん(大学3年)。ラフマニノフの前奏曲をファンタジックに伸びやかに演奏しました。続いて新元 愛さん(大学3年)によるショパンのノクターンです。ロマン溢れる曲を抒情的にまとめ、印象的な演奏を披露しました。小林美音さん(大学4年)はムソルグスキーの「展覧会の絵」をオーケストラのようなダイナミックさで弾き終えました。演奏会の最後を飾ったのは、川村綾音さん(大学3年)と共演の森島英子先生によるショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第2番」です。2台のピアノが時には華麗に、時には荘厳に、力強く情熱的なピアノがラストを飾りました。
なお、本番中に音声トラブルがあり、終了後録画のため再演されました。終演アナウンス後にも多くのお客様がお残りになり、暖かい拍手の中無事に収録されました。音楽を繋ぐ「心の和」でステージと客席が一体となった心温まる場面でした。
この演奏会では多くの大学生がスタッフとして支えています。ステージの楽器移動や椅子の出し入れを担当する大学生、お客様のご案内を担当する大学生など、演奏会を支える人々の役割を理解することで音楽家としての成長を促しています。