12月7日(土)、音楽学部・音楽文化研究科の第26回定期演奏会が川並香順記念講堂にて開催されました。昨年に引き続き一般公開となったことで多くのお客様にもご来場いただき、年末恒例のイベントとして華やかで活気に満ちた演奏会でありました。
第1部の開幕は田中莉さん(大学2年)のコンピューター音楽作品の発表です。会場の照明が落ちると反響板に映像が投影され、作品の世界観が広がります。音だけではなく、映像も凝った造りであり、会場も本格的な仕上がりに驚きに包まれていました。続くミュージカルステージでは、田口莉名さん(大学4年)が神尾憲一作曲ミュージカル《つるの恩がえし》を歌います。歌のみならず「舞い・衣装」も見どころで、鳥井俊之先生の伴奏に合わせた幽玄なステージとなりました。次に電子オルガンの独奏が3名続きます。高石澪さん(大学4年)は自作の「As You Wish」を発表。口ずさみやすいメロディの快作です。大学院博士課程の2名はオーケストラ楽曲を編曲しました。向徐彼徳さん(博士前期課程2年)、孟智奕さん(博士前期課程2年)ともに電子オルガンの機能性を駆使し、堂々たる迫力で会場を感動で包み込みます。続いて器楽です。ヴァイオリン独奏の須藤凜さん(大学プロ・アーティストメジャー3年)はベートーヴェン「ヴァイオリンソナタ第5番」。華麗にして重厚な大作です。マリンバ独奏の渡邊友恵さん(大学3年)は技巧的なパッセージが目を引きました。2人ともに大きな拍手が贈られ、第1部を終えました。
第2部は学生と男性教員による重唱によるオペラ作品で幕を開けます。竹之内怜果さん(大学3年)と藪内俊弥先生によるモーツァルト《魔笛》より有名な「パパパの2重唱」は「鳥」をイメージした衣装の華やかさもあり実に華やかでした。続いて大橋葉月さん(博士前期課程2年)と藪内俊弥先生によるモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》より「お手をどうぞ」。若き花嫁の葛藤を見事に表現しました。薮内先生が3枚目役パパゲーノから2枚目のドン・ジョバンニに一瞬で役替えをするのも会場を沸かせました。川上真奈さん(博士前期課程2年)と布施雅也先生によるヴェルディ歌劇《椿姫》より「パリを離れて」。ヴェルディ独特の「間」をうまく表現し、グランドオペラの名場面を演出しました。
演奏会最後のコーナーはピアノステージです。4人の大学生4年生による独奏です。佐藤麗奈さん:リスト 巡礼の年第2年「イタリア」、ペトラルカのソネット第104番。寺尾美柚さん:メンデルスゾーン「ロンド・カプリチオーソホ長調」。長谷川優菜さん:ショパン「ロンドハ短調」。川村綾音さん(プロ・アーティストメジャー):シマノフスキ「変奏曲変ロ短調」。聖徳大学が誇るスタンウェイ社のフルコンサートのピアノが4人それぞれ全く違う音色で鳴る稀有な時間でした。4人ともに大きな拍手が沸き起こり、ブラボーの掛け声が贈られる奏者もおりました。
演奏会の後にはバックステージでお互いの成功をたたえ合う姿が見られました。そして、スタッフとして演奏会を支えた学生も誇らしげでした。ステージの楽器移動や椅子の出し入れ、お客様のご案内、などなど演奏会を支える人々の役割を理解することで音楽家としての成長を感じてもらうことができる貴重な学びの場でもあります。
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12月7日(土)、聖徳大学音楽学部・大学院音楽文化研究科「第26回定期演奏会」を開催いたします
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